新NISA満額のため収入半分を投資、「枠」が生活目標に
新NISAの年間投資枠360万円を埋めることが、資産形成の手段から生活そのものの目標へ変わった人たちがいます。
名古屋市で開かれた「あつまれNISA貧乏バー」には、投資枠を満額まで使うことを目指す人たちが集まり、参加者の一人は月収約20万円のうち11万円を投資し、別の参加者は収入の7割を投資へ回しているのだとか。
支出の削減は食生活や交際にも及び、一人での外食をやめ、米をまとめ買いする。
実家で暮らして住居費を抑える。
職場の飲み会を断る。
主催者の男性は、5年間でNISAの非課税保有限度額を埋めるため、恋愛を休むと決めたのだそうで・・・。
預貯金が1000円になった経験を持つ人や、資産の95%を投資へ回して預貯金を5%にした人もいたようで、引っ越しなど大きな支出が発生すると、クレジットカードの利用限度額に近づくこともあったのだそうです。
NISAの年間枠は、利用者が必ず埋めるノルマではなく、制度上投資できる金額の上限であり、実際の投資額は、生活費や緊急時の資金なども踏まえて各自が決める必要があります。
投資へ回した資金は、相場の下落によって一時的に減る可能性がありますし、急な出費に備える預貯金とは役割が異なっています。
転職、引っ越し、病気やけがなどで現金が必要になれば、値下がり中の資産を売却する状況も生じてくることでしょう。
積立額は数字で進捗を確認しやすいのですが、旅行や交際、学習などの価値は同じ尺度で測りにくいものですし、投資枠だけが明確な達成目標として残り、ほかの支出が削減対象へ回りやすくなっています。
新NISAは長期の資産形成を支える制度とはいえ、制度の上限と自分の適正額は別の数字で、満額という分かりやすいゴールが、現在の生活を狭めているなら、先に見直すべきなのは支出ではなく投資額なのではないでしょうか。
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